| ジャパン・ホースマン 藤澤和雄調教師をめぐる 知られざるエピソードで盛り上がる駿俊対談 さて、今回は・・・? |
駿 | きょうの対談の冒頭で 山本オーナーが藤澤“諸葛孔明”に 三顧の礼を尽くす話を うかがいましたが(第1回)、 ここも三国志にならえば、 まさに“桃源の誓い”ですね。 生まれは別々でも、 志をひとつとするならば、死ぬときは一緒だと。 |
俊 | そこまで大げさじゃないですよ(笑)。 |
駿 | いやいや、 私は山本オーナーと藤澤調教師の絆は、 それくらい深いものだろうと推察しています。 ぜひ山本さんがめざす凱旋門賞に 勝ってもらいたいと思うし、 願わくは、 日本ダービーのウィナーズサークルに立つ 藤澤先生の姿を見てみたい。 |
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俊 | そうなるといいですね。 私は偏食系というか凱旋門賞しか目に入らない。 ところが先生は雑食系(笑)、 良くいえばグルメ、悪くいうと強欲ですね(笑)。 凱旋門はもちろんだが、 ケンタッキーダービーにも エプソムダービーにも色気がある。 世界中の権威あるレースを 全部勝ちたいと思っている節があります(笑)。 |
駿 | ハッハッハッ、勝負師の業ですよ(笑)。 ぜひ、ぜひ、ぜひとも実現してほしい。 |
俊 | そういう意味では、 私なんかよりはるかにスケールが大きい、 つくづく、そう思いますね。 私のようにもともと偏食系では 雑食系に絶対に勝てない(笑)。 ビジネスでは私もけっこう強欲だし 貪欲なところもあるほうだと思っています。 ところが競馬に対する業欲さとなると 先生には負けますね(笑)。 |
駿 | 勝負師の性(さが)なんだろうなぁ(笑)。 藤澤和雄という人は、 競馬発祥の地のニューマーケットに何年も留学して、 帰ってからは 裕ちゃん(故・野平裕二調教師)なんかとも親しくて 調教助手時代にはシンボリルドルフを手がけ、 その後も日本の競馬の歴史に残るような名馬を輩出してきた。 その経歴はカッコ良くて オシャレそのもののように思われがちだが、 実はそうじゃない。 本質はやっぱり勝負師。 ホースマンとして生きていく限りは、 勝負を絶対に捨てない、諦めない。 だって、競馬くらい 勝ち負けで明暗が別れるスポーツって他にない、絶対にない! |
俊 | ハナ差の勝ち負けで天と地ほど違い出るレースもよくあります。 馬の一生がそれで決まってしまうことも珍しくない。 |
駿 | ほんの何ミリ差で勝ったほうがG1ホースに成り上がって、 負けたほうは未勝利のままなんて例は掃いて捨てるほどあります。 だから普段はカッコ良く見えても根は勝負師(笑)。 ハッハッハッ、でなければ務まらない(笑)。 「千里の馬は常に有れども伯楽は常には有らず」と故事にある。 名馬は世の中にたくさんいるが、 それを見いだし育て上げられる調教師はめったにいない。 馬でも人間でも才能は発見され引き出されて初めて才能であって、 そこを担う調教師の役割はとてつもなく大きくて重い。 才能を見いだすことも勝負だし、育てることも勝負、 レースはいうまでもありません。 藤澤和雄は、度量の大きさといい器量の深さといい、 常にはあらざる仕事をやってのける人。 凱旋門賞もいいが、 ケンタッキーダービーも悪くないですよ、山本さん(笑)。 |
俊 | 先生の夢は私の夢でもあると思っていますから、 そうなれば幸せですね。 |
| (あしたにつづく) |