| ヨーロッパで走る血を求めて サドラーズウェルズ産駒に夢を託したが…、 山本英俊オーナーの飽くなき挑戦は まだまだつづく! |
駿 | しかし競馬って、 奥が深いというか、本当に難しいね。 |
俊 | まったくです(笑)。 |
駿 | それで山本さんのチャンレンジは、 いったんは失敗する、 失敗ということでいいんですか? |
俊 | はい(笑)。失敗ですね。 |
駿 | サドラーズウェルズという 本流中の本流の血統で挑んだが、 ヨーロッパではべらぼうに走る血でも 日本の固い馬場に行く手を阻まれた。 では、オーナー山本英俊は、 あくまでサドラーにこだわりつづけるのか、 それとも方向転換するのか、 非常に悩まれたと思うんですが…? |
俊 | ええ、悩みましたね。 私はオーナーで私が資金を出して 馬を購入するわけですが、 競馬は私ひとりのものじゃない。 直接的に関係する人だけでも、 藤澤先生、調教助手や厩務員の皆さんも ずっとつながっているわけです。 ジョッキーだって、 走らない馬に乗りたくないでしょ(笑)。 |
駿 | 馬主というものは、 そこまで考えるものですか。 |
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俊 | 先輩馬主のみなさんもそうだと思いますよ。 |
駿 | なるほど。 ということは、山本オーナーとしても 方向転換を考えざるを得なくなった。 |
俊 | そうですね。いろいろと考えました。 |
駿 | まず条件は、 あくまで目標は向こうだから ヨーロッパでパフォーマンスを 全開できることが前提ですね。 それから日本でデビューさせて、 これならと自信をもてる性能を 確認することも欠かせない。 カジノドライヴは血統的にも 非の打ちどころがなく、 類いまれな素質を新馬戦だけで確信できたが、 そういう馬ばかりじゃない。 できたら重賞のひとつくらいは勝って 向こうに乗り込みたい、 日本で走り、ヨーロッパでさらに走る、 世界中で通用するワイルドカード (トランプのジョーカー)みたいな 血統はないものかと、 山本オーナーは思索をめぐらしたわけだ。 |
俊 | おっしゃるとおりですね。 |
駿 | それで見つかりましたか? ワイルドカードは。 |
俊 | あくまで仮説なんですが、 キングマンボが 面白いんじゃないかと思いました。 |
駿 | ホォー、キングマンボですか…。 |
| (あしたにつづく) |