| 求める血は、 日本で走り、ヨーロッパで走る全能の血! 山本英俊オーナーの奮闘がつづきます。 |
駿 | 山本さんが目をつけたキングマンボ、 これは慧眼(けいがん)ですね。 素晴らしい洞察力、立派な見識です。 |
俊 | そんなにおっしゃられたら、 恐縮しちゃいますよ(笑)。 |
駿 | この大種牡馬は、初年度産駒から エルコンドルパサーを出しました。 |
俊 | はい、そうでした。 |
駿 | エルコンは、ジャパンCやNHKマイルなど 日本のG1を勝ちましたが、それだけじゃなく フランスのG1サンクルー大賞を制覇して、 つづく凱旋門賞でモンジューの2着に健闘した。 日本の馬で凱旋門賞の栄冠に いちばん近づいた馬です。 |
俊 | 日本では休み明けの毎日王冠で サイレンススズカの2着に敗れたほかは パーフェクトでしたね。 それ以上にすごいのが、 フランスへ渡って4戦していますが、 G1サンクルー大賞、 凱旋門賞トライアルで有力馬が集まる G2フォア賞と2勝をあげ、 休み明けとなった渡仏緒戦の イスパーン賞で2着、 そして凱旋門賞でもモンジューを苦しめました。 |
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駿 | そうでしたね。 日本の固い馬場でも走り、 ヨーロッパの深く重い芝でも それ以上のパフォーマンスを発揮する、 山本オーナーが熱い視線を注ぐのも 無理はないね。 それにエルコンの母父がサドラーズウェルズ なのもわが意を得たりの思いですな(笑)。 |
俊 | まぁ、 それはたまたまということでしょう(笑)。 |
駿 | 彼は早くに亡くなってしまったが、 菊花賞のソングオブウインドとか、 ダート王のヴァーミリアンなど 幅広いカテゴリーで活躍馬を残しています。 キングマンボ自身はマイラーだったが、 代が下るにつれて チャンピオンディスタンスで強みを発揮するもの、 ステイヤーとして資質を示すもの、 さらにダートで無敵の進撃をつづけるもの、 非常にバラエティに富んでいます。 |
俊 | そうですね。 エルコンの1歳下のレモンドロップキッドという アメリカの馬はベルモントSをはじめ、 G1レースを5勝しています。 日本、ヨーロッパ、アメリカ、 すべてのコースに対応できることを 証明してくれました。 |
駿 | ことしから産駒が日本で走るアルカセットも サンクルー大賞とジャパンCを制覇した 2頭目の馬になりました。 キングカメカメハは日本のダービーと NHKマイルを勝って、3歳秋には 引退しちゃったから未知数ですが…。 |
俊 | 彼がヨーロッパで走る姿を見たかったですね。 どんなパフォーマンスを発揮してくれたか…。 本当に残念です。 |
駿 | 海外挑戦というのは、 それくらい難しいということなんでしょう。 生半可な覚悟では成就しない。 |
俊 | そういわれると、身が引き締まる思いがします。 |
| (あしたにつづく) |