| ことしの2歳馬は “国際コラボ血統”が目白押しだ! |
駿 | さて、山本オーナーがめざす世界に通用する 血統の話に戻りますが、先ほど話に出た キングマンボは3頭中2頭が牝馬です。 これはあえて牝馬を買ったということですか。 |
俊 | 自家繁殖馬でキングマンボをつけたら、 残念ながら牝馬に出ちゃったんですよ。 |
駿 | ヘーェ、自家繁殖牝馬も持っているんだ。 |
俊 | はい、日本でもヨーロッパでも 走れる血統を追いかけたら、現時点では キングマンボに一日の長があります。 ところがシェイク・モハメドなんかも キングマンボを高く評価していて、 セリでもどんどん値が上がっちゃっています。 それにキングマンボ自身が高齢のためか 種付け数が減って、希少価値化しています。 |
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駿 | それなら自分でつくるしかないということですね。 山本さんは思い切りがいいね。 スケールが大きいよ。 |
俊 | いえいえ、キングマンボの種付け権を 確保するのに大変な思いをしましたが、 私は思い描いた夢は 必ず実現できると思っていますから、 バカみたいに頑張っているだけです。 |
駿 | そのほかの期待馬というと、 どんなのがいますか。 |
俊 | 前にもお話しましたが、 私は馬主になったころ(2004年)、 当時はヨーロッパのG1を サドラーズウェルズの仔が勝ちまくっていました。 だからサドラーだったんですが、 日本の固い芝への適性は低かったようです。 でも、配合次第では必ず日本で走り ヨーロッパでも走る馬が出るはずと考えていました。 |
駿 | 描いた夢は必ずかなうということですね。 |
俊 | からかわないでください、清水さん(笑)。 ところがサドラーが引退しちゃった。 失敗にこりて買わなくなってのではなく、 買えなくなったのです(笑)。 |
駿 | それでキングマンボに着目し、 同時にガリレオやモンジューなどの サドラー後継馬にも細かく目配りしてきた、 という流れになるんですね。 それにしても山本さんはあきらめないねぇ! |
俊 | 往生際が悪いだけです(笑)。 モンジュー牡駒は母親がドイツのG1勝ち馬です。 その父モンズーンはドイツを代表する名種牡馬で 仏独コラボレーションが 成果を結んでくれるといいですね。 ガリレオ牡駒は母親が同じモンズーンの仔で 独セントレジャーの勝ち馬です。 こちらは英独コラボレーションですね。 |
駿 | 今度はドイツ血統ですか(笑)。 ちょっと調べてみたんだが、 モンズーンの代表産駒シロッコは4カ国で走り、 独英米3カ国でG1制覇していますね。 思い返してみれば、ジャパンCで ドイツ馬のランドが勝っています。 彼はラムタラの凱旋門賞で4着に入賞していますから、 多様なコースに適応できる ユーティリティ・プレーヤーを育てる土壌が ドイツにはあるのかもしれない。 |
俊 | 海外はおおむねそうですね。 自国で走っただけではダメ、 世界に通用することを証明しないと認められません。 自国とか他国とか、 そもそもそういう意識が希薄ですね。 競馬はひとつみたいなところがあって、 ズーッとつながっています。 |
駿 | なるほどね。鎖国体制じゃないんだ。 もともと国境たって、 ずっと地つづきで基本的に自由に行き来できる。 イギリスはドーバー海峡があるが、 パリから飛行機で1時間、 ユーロスターという向こうの新幹線だと3時間くらい、 東京から大阪へ移動する程度ですね。 鎖国なんてばかばかしくってやっていられない(笑)。 |
| (あしたにつづく) |