| 凱旋門賞の日のロンシャン競馬場で 山本さんを“一目惚れ”させた牝馬のオーナーは アガ・カーン家の王女だった! ここから数奇な運命に操られた物語がはじまります。 |
駿 | いくら気に入っても相手がアガ・カーン殿下では、 さすがの山本さんもどうしようもない(笑)。 |
俊 | そうなんですが、運命というか、 人間もそうですが馬の一生もわからないものです。 ある日、マンダララがドーヴィルの繁殖セールに 上場されるという情報を聞いたんです。 |
駿 | 憧れの恋人が手に入れられるかもしれない(笑)。 |
俊 | いろいろ調べてみると、 王女のプリンセス・ザーラがお小遣い稼ぎなのか(笑)、 マンダララをトルコ人のオーナーに売却していたんですね。 |
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駿 | マンデシャが大活躍したので、こちらを残せばいいか、 そんな発想なんでしょうかね(笑)。 |
俊 | それでトルコ人オーナーは 自国の活躍馬で快速血統のディニーパーを マンダララにつけたんですね。この時点では、 まさか自分の手に入るとは思いもよらないことでした。 |
駿 | ところがマンデシャが走りはじめた。 先ほど話のあったオペラ賞まで 実にG1を3連勝してしまった。 しかも快速血統にもかかわらず、 2400mのヴェルメイユ賞でも 圧倒的な底力を見せつけた。 さすがアガ・カーン殿下の生産馬、 さぁ大変だ、とマンダララの血統価値が 大ブレークしたわけですね。 |
俊 | さすがカリスマ予想家ですね、 ものすごい推理力です(笑)。 全部おっしゃるとおりです。 |
駿 | いやいや恐縮です(笑)。 そのトルコ人オーナーは、 いまが売り時と考えたんでしょうな。 それで繁殖セールに上場されることになったんですね。 でも、セリは大変だったでしょう。 |
俊 | はい、最後は結局、 私とクールモアの競り合いになりました。 決着してみたら、 ドーヴィル繁殖セールのレコード価格でした。 |
駿 | ウーン、山本さんも山本さんだが、 クールモアもクールモアだ(笑)。 当代一流のホースマン同士をレコード価格が出るまで 競り合わせたマンダララという1頭の牝馬に、 どんな魅力があったんだろう。 |
俊 | クールモアがどんな思惑だったかは 私にはわかりませんが、 世界の最先端を行く超一流の牧場ですから、 間違ったことは考えていないと思いますよ。 |
駿 | その世界の最先端、超一流と争ってまで 手に入れようとした山本オーナーのこだわりは どこにあったんですか。 |
俊 | それはやはりマンダララという血統を 初めて目にした凱旋門賞の日のロンシャンに 遡ることになりますね。 |
駿 | ホーッ、すべてはロンシャンにあったと…。 |
| (つづきは27日(月)にお送りします) |