それいけオークス

第18回 いざ、オークスへ!(3)

「桜花賞は目一杯の仕上げではなかった」
松永調教師は、そう語った。
オークスではディザイアを、どこまで高めていくのだろうか?

―― 2400mという距離はどうですか?
四位距離は、絶対に大丈夫です。合います。
松永最初から中距離をイメージしていた馬ですからね。
先ほども言いましたけど、
エルフィンSのあとは、
1600mは、桜花賞だけでいいかな、
って思ったぐらいですから。
これは、プラスだと思いますよ。
血統的にも、
カーリアンにマンハッタンカフェですから、
合うはずですよ。
ただ、ブエナビスタも
カーリアンにスペシャルウィークだから、
似てるといえば似てるんですよね。


 
―― では、輸送など、課題は何かありますか?
松永輸送は、桜花賞の感じからすると、
もちろん距離とか時間は違いますけど、
特に心配ないと思うんですけどね。
前日に入厩させる予定ですね。
レースに関しては、まだキャリアが浅いですし、
現時点では、これといってないですよ。
四位ぼくもそう思います。
たとえば、勝負どころでエンジンの掛かりが遅いとか、
課題はなくはないですけど、
そういうのはキャリアを積んでいけば
解消してくると思っているんです。
だって、何度も言いますけど、
まだ3回しか競馬やってないんですよ。
たいしたもんですよ。


 
―― 馬体も含めて、どういう調整で臨みますか?
松永桜花賞のあとは少し楽をさせてますから、
徐々にピッチを上げます。
たぶん、オークスのときは、
絞れて出てくると思いますよ。
桜花賞のときよりも、
もう一段上の仕上げで勝負するつもりですから。
四位馬体に関しては、
ジョッキーが入り込む余地はないと思ってます。
F1でいうと、ぼくはドライバーですから。
ボディーやエンジンは、
厩舎の皆さんの領域ですからね。
松永そうだね。
だから、ぼくらがしっかり仕上げて、
四位に託す、ということです。


 
四位そうですね。
ジョッキーは、厩舎の方が作ったものを、
馬場で曳き綱を離される瞬間に、
最後のバトンとして渡されるわけです。
そこからの結果は背負わなきゃいけないですし、
プレッシャーも感じますよ。
でも、その責任を果たせたときの喜びというのは、
ほんとに何物にも替えがたいものがありますよね。
幸せな仕事をやらせてもらっていると思います。
 

(明日につづく) 14時に更新します

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今日のレッドディザイア 5月18日
全休日の調教コースを見守る後姿を発見。
5冠馬シンザンを育て上げた
名調教師・武田文吾翁の銅像です。
当時もこの雰囲気でシンザンを見守っていたのでしょうか。
銅像とはいえ、その後姿にはオーラがあります。