それいけオークス

第8回 デビュー2連勝の舞台裏とは?

デビューから無傷の2連勝を飾るも
いずれもハナ差の辛勝だった。
負けたか? いや届いてる!?
当事者たちのそれぞれの思いとは!?

―― 新馬戦はハナ差勝ちでした。

四位

新馬のときは、
まだ馬がなんにもわかってなくて、
ゲート開いても全然行く気がなかったんですよ。
それで、直線に向いて外に出したら、
やっと伸びてきて。

松永

スタンドから見てて、
よく勝ったな、って思ったよ。

四位

新馬で、あの勝ちっぷりですよ。
牝馬のデビュー戦の競馬じゃないですよね、
牡馬みたいでした。
あれで、かなりの素質を感じましたよ。

―― 続いてエルフィンSに向かいました。

松永

あれは、厳しいレースだったね。

四位ほんとに。
頭数もそんなに多くなかったですし、
いろんな競馬を経験させたかった
という思いもありましたね。
でも、今だから言いますけど、
直線はあせりました(笑)。
松永普通なら3着ぐらいってレースだよね、あれは。
四位そうですよね。

 

 

松永ゴール手前でグイって伸びて、
差し切ってくれたんですが、肉眼で見てても
差しているかどうかわからなくて、
あ、負けたな、って思いました。
まあでも
「よく走ってくれたな」
っていう印象でしたね。
で、検量室のところに下りて行ったら、
「もしかしたら勝ってるかも」
なんてうちのスタッフが言ってたんで、
そう言うなら、そうなのかなって。
四位ぼくも、届いているように思えたんですけど、
確信はなかったんですよ。
ほんとに微妙でしたからね。
新馬戦のときもハナ差ですけど、
あれはきっちり差し切れた手応えはあったんです。
でもエルフィンSのときは、
上がってきてから、確定が出るまでは、
「届いててくれ~」
って祈るだけでしたね(笑)。
松永やっぱ、そうだよね(笑)。

 

 

四位中継のカメラがあるじゃないですか?
あれって勝った馬がアップになりますよね。
だから、カメラばっかり気にしてました(笑)。
こっちを映してるのか、
それとも
2着のワイドサファイアを映してるのか、って(笑)。
戻ってきて、
厩舎の人は脱鞍所の1着のところにいるのか、
2着のところにいるのか、どっちかな、とかね(笑)。
でも、幹夫さん、1着のところにいてくれましたよね?
松永自信はなかったんだけど、
みんなが勝ってるっていうからね(笑)。
四位確定が出たときは、
「これで桜花賞に行ける!」
って思って、
すごくうれしかったですよ。

―― エルフィンSで賞金的にほぼ出走条件を満たしたことで、
            あまり前例のない桜花賞直行を決断されました

松永ローテーションがどうこうというよりも、
1600m、あるいはそれ以下の距離は、
この馬の将来を考えたとき、
もう桜花賞だけでいいかなと。
なので、四位ともそういう話はしましたね。
四位ぶっつけで桜花賞に行くことに関しては、
ぼくも賛成でした。
デビュー戦の内容なんか見てもそうですし、
元々、距離は長めのほうがいいと思っていましたから。
合うのは、東京の2400mとか、
それぐらいのイメージを持っていたので。
だから、納得でしたよ。
そういう意味でも、
エルフィンSを勝ったのが大きかったんですね。
あれを勝つのと負けるとでは
そこから先のことが、全然違いますからね。
 

(明日につづく) 11時に更新します





 
今日のレッドディザイア 5月8日
松永調教師「無駄にテンションを上げたくないので、速い時計での追い切り本数をこなすのではなく、距離を乗り込んで入念に息を作っています。リラックスしているし、距離延長はプラスに働きそうですからね。本番で全能力を発揮できるように仕上げていきます。いい雰囲気ですよ」