それいけオークス

第10回 信頼が絆を作る

騎手・松永幹夫と騎手・四位洋文
すごさ、うまさ、強さ
騎手として、人として、お互いがお互いを語る。

―― それだけ信頼を寄せている「騎手・四位洋文」は、
            先輩から見てどういうジョッキーですか?

松永

どんな馬でも対応してくれるジョッキーですね。
四位のいちばんいいところは、
レッドディザイアのエルフィンSを見てもわかる通り
「追える」ということですね。
昔から、印象は変わらないですよ。
勝負強いジョッキーだと思います。

 

 

四位ありがとうございます(笑)。
でも、幹夫さんは、
つい最近まで現役だったじゃないですか。
で、いまも、攻め馬にご自身も騎乗している。
だから、幹夫さんところの馬に乗ると
ゴマカシがきかないんですよね(笑)。
松永そういうふうに考えるんだね(笑)。

―― 自分の厩舎の馬に乗った四位騎手に、
            乗り方などを指摘したこととかはあるんですか?

松永いやいや、ないですね。
競馬ですから、ゲート開いてゴールするまでに
いろんなことがありますからね。
スタートして、すぐつまづくかもしれないし、
思いもよらない馬がハナを切るかもしれない。
レース前にいろいろ考えていても、
その通りにはいかないですよ。
思い通りに行くんだったら、
もっと勝ってます(笑)。

 

 

四位そういうことをわかってくれているので、
騎手としてはやりやすいですよ。
もちろん、競馬関係者なら、
それは、みんなわかっているとは思います。
でも、実際に競馬に乗っていた人は、
それを何度も体感しているから、
頭じゃなく、感覚みたいなもので
理解しているという感じですよね。
だから幹夫さんは、いろいろ言わないんですよ。
「任せたぞ」
とだけ言われると、
信頼されているんだな、
と感じますし、
「こりゃ頑張らなきゃ」
っていうふうになりますよね。
それはどんな仕事でも同じだと思いますけどね。
だから、幹夫さんとこの馬を頼まれると、
身が引き締まる思いがしますよね。

 

 

―― 四位騎手にとって、現役時代の「騎手・松永幹夫」は、
            どういう存在だったんですか?
四位すごくおだやかと、というか、
でも近寄りがたいというか(笑)。
若いときは、
あまりしゃべってもらえなかったですよ。
ぼくら若い連中が、
近くではしゃいでいたら怒られそうな感じです。
でも実際に怒ることはまずない人なんですけどね。
 

(明日につづく) 11時に更新します