それいけオークス

第4回 桜花賞の直線の攻防

半信半疑から確信へ。
敗れはしたもももの、 そこから得られた収穫もあった。
次走への限りない展望が広がった桜花賞だった。

―― 直線は外に出しました。

四位

ぼく、大本命馬のような競馬しましたね(笑)。
それでも、一瞬、
やったかなって思いましたよ。
外に出して、グッと伸びましたからね。
「ヨシッ!」
と思ったんですが、
ほんとに一瞬でした(笑)。
さっきも言いましたけど、
並ぶ間もなく、という感じでした。

 

松永

まあでも、仕方ないよ。
ウチのも33秒7で、いい脚使ってるけど、
ブエナビスタは33秒3だからね。

四位

でも、3戦目で、
ブエナビスタとあれだけ戦えたというのは
ほんとに収穫でしたよね。

松永

だって、これは負け惜しみじゃないですけど、
桜花賞を絶対獲りに行くって感じの
調整じゃなかったですからね。
なぜなら、血統的にも1600mの桜花賞でこそ、
という馬ではないし、
距離が延びる舞台に魅力を感じていましたから。
桜花賞を狙いにいくなら、
トライアルを使うという選択肢もあったわけですからね。
そういうイメージで臨んだ桜花賞なので、
中間に速いところをやったのは、実質4本ですよ。
それであの競馬ができるんですから。
よく頑張ったと思いますよ。

 

―― 桜花賞前のインタビューでは、松永調教師は
        「どれだけの能力があるのか、ぼくにもまだわかりません」
        ということをおっしゃっていました。
        その思いは、どう変わりましたか?

松永

走るのはわかってても、
桜花賞の前は、正直、半信半疑でしたよ。
2連勝してても、両方とも
ギリギリの勝利でしたしね。
でも、桜花賞が終わって、
ほんとに能力のある馬だな、
という確信は持てましたね。

 

四位

でも幹夫さん、
桜花賞はいい演出だったんじゃないですか? 
エルフィンSからのぶっつけで、
未知の魅力を秘めたまま
王者であるブエナビスタと対決でしたから。
ファンのみなさんも、あの桜花賞は、
楽しめたんじゃないですかね?

松永

別に、そういう狙いで
ローテーションを決めたわけじゃないけどね(笑)。
でも、結果的には、面白い図式になったよね。
印が付いている新聞もあったけど
「軽い調教で、しかも間隔も開いている」
ってノーマークのところもあったし。
でも、2番人気だったよね。

四位

ファンのみなさんも、その
「可能性に賭けた」
っていうことなんでしょうね。
無敗で、しかもブエナビスタと未対戦だった、
という部分に。
でも、ディザイアも、2着でしたけど
しっかり結果を出した、と言ってもいい競馬を
してくれたと思うんですよね。
ほんとに、たいしたもんですよ。

 

(明日につづく) 11時に更新します