第7回 「ローズSのディザイア その1」

パドックも返し馬も堂々と歩いていたディザイア。
しかし、レースでは、不利もあって2着に終わった。

―― レース直前の様子はどうでしたか?

松永

よかったですよ。
体重が10キロ増えていたのも、
馬体がひと回り大きくなってますし、
予定通りでしたね。
またよく食べるんですよ。
もともと、カイ食いはいいほうなんですけどね。
ただ、結果(ローズS・2着)を考えると、
もうちょっとビシッとやっても良かったかな、
という気はします。

             
西川そのへんは、難しいですよね。
あくまで前哨戦ですから。
本番を見据えての仕上げという部分は
どうしてもあるわけだから。
四位そうなんですよ。
だから、秋のトライアルの人気馬というのは、
いちばんしんどい立場なんです。
出走権が確定していない陣営は、
メイチで来るわけですから。
ブロードストリートだって、
3着までに入らないと
秋華賞へ出られるかどうか微妙だったんですから。
だから、ディザイアと立場の違いはありますよね。
松永あれがトライアルでよかったですよ、ほんとに。

―― 実際、ローズSでの走りは、どうでしたか?

四位

スタートも悪くなかったですし、
折り合いもつきましたからね。
ただ、3コーナーで、前にいた馬が
ちょっと尻モチつくような格好になったので、
ブレーキをかけたんですよね。
あれが痛かったですよ。
それで、馬群の中に入っていくタイミングを
失ったというか。
そのあと、ユタカさんのミクロコスモスが
外からビューっと上がっていきましたね。

             
松永ユタカの馬は、
上がっていくの早かったよね?
四位いや、あれはユタカさんが
本番に向けて脚を試しているんだと思いますよ。
絶対そうです(笑)。

―― レコードタイムでの決着でした。

四位ぼくの戦前のイメージでは、
スローで流れて上がり勝負になるんじゃないか、
と思ってました。
まさか、あんな流れになるとは。

松永

速かったですね。
だから、後ろの方にいたディザイアにとっては
いい流れになったなと思いながら
道中は見ていましたよ。

 

(明日につづく)