第4回 「横峯式(?)トレーニング その1」

それは、なにげなく見ていたドキュメント番組がきっかけだった。
保育園児とサラブレッドが同じトレーニングを行う!?

―― 春と調整方法を変えた部分はあったんですか?

松永

ええ、ちょっと変えましたよ。

―― どのあたりを?

松永

う~ん、これは話すと笑われそうなんですけど。
まあ、話しますか。
プロゴルファーの横峯さくら選手のおじさんが、
保育園をやられているんですね。
そのドキュメントをテレビでやってたんですよ。

       
四位ああ、知ってます。ぼくも見ましたよ。

松永

そこの子供たちがみんなすごいんですよ。

四位運動能力がね。
       
松永飛び箱とか、高いのをバンバン飛ぶし、
走らせたら小学生の低学年と同じぐらいの
能力があるんです。
四位みんながそうなんですよ。
西川へぇ、そうなんだ。
松永勉強みたいなことをやらせても、
普通の4歳とか5歳とかって、
あっちこっち行ったり、
なかなかちゃんとやらないでしょ。
なのに、全員が集中してるですよね。
西川なにか特別なやり方があるんですか?
松永いろいろあるんでしょうけど、
テレビでやってたのは、
まず朝来たら、グランドを何周も
疲れるまで走らせるんですよ。一生懸命にね。
そしたら、みんな大人しくなって、
授業も真剣に聞いて、まじめに勉強しているんです。
集中力がすごいんですよね。
まあ、そのときは、
「こんな保育園もあるんだな」
なんて思いながら見てたんですよ。
―― まさか、それを…?
松永そうです(笑)。
ウチの馬たちにも、
アレンジして取り入れてみようかなと、思って。
それで、普通はハッキングして
馬場に出て行くんですが、
いまは調教方法を変えて、ダクをやってから、
すぐコースに出してビューって1周走らせて、
そのあとハッキングに変えてみました。
先にある程度の負荷をかけておいて、
そのあとじっくりと角馬場で乗り込む、
というふうに変えたんですよね。
でも、これがいいかどうかは、
正直言ってわからないんですよ。
       
 

(明日につづく)