哲 | 凱旋門賞のような海外のビッグレースを制した馬でも、 |
武 | 確かにあります。 ヨーロッパとアメリカでも、だいぶ違いますしね。 日本馬でも、“これをフランスに持っていったら、きっと走るゾ!” と 思えるタイプもいます。 まあ、馬は自分の意志で走る場所を選べない。 その意味では、買われた馬主の国籍によって、 運命が大きく左右されてしまう面はありますよね。 |
哲 | 話は変わるけど、 武ちゃんがアメリカに滞在していたときに、 凄い名馬のデビュー戦(注1)に騎乗したのでしょ。 |
武 | 後に、プリークネスSとベルモントSの米二冠を勝つ ポイントギヴンのことですね。 |
哲 | やっぱり、レースに乗ったときの感覚みたいなものは、 ほかの馬とは違った? |
武 | 600キロ近い超大型馬で、1100mのレースだったのだけど、 スタート直後は、まったく付いていけなかった(笑)。 ところが、直線で追い込んだときの脚は、物凄いものだった。 結局、2着に負けたけど、“これはモノが違うな” とは感じました。 それにしても、後に2400mのベルモントSを12馬身差以上付けて ブッ千切った馬、 “よりによって1100mのレースに乗せることはないだろう!” とは、今でも思っていますけど(笑)。 |
(水曜日更新の第13回につづく) | |
明日は、日本とはだいぶ違う、海外の競馬場やファンの話題を 武騎手が語ってくれます。 | |
(注1) 2000年8月12日、カリフォルニ州デルマー競馬場で行なわれた D5.5F(約1100m)のメイドン(未勝利戦)で、アメリカに長期滞在中だった武豊が、 名門ボブ・バファート厩舎所属のポイントギヴンの手綱を取った。 | |
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