武豊 西川哲 新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。
第13回
大人の対応をしてくれる、欧米の競馬ファン

  

ヨーロッパには、英1000ギニー、2000ギニーを開催する
ニューマーケット競馬場のように、
マイル戦すら直線コースで行なう競馬場があるけど、
ジョッキーの立場からすると、
乗りやすさはどうなの?

コーナーワークを心配する必要はないから、
基本的には、とても乗りやすいですよ。
 
 ちなみに、ニューマーケット競馬場ではありませんが、
フランスのロンシャン競馬場の直線1000mコースで行なわれる
スプリントG1戦アベイユドロンシャン賞で、
武豊騎手は、1999年アグネスワールド、
2001年インペルアルビューティと、計2勝をマークしています。

それにしても、ニューマーケットでのギニーレースは、
ファンにとっては、とても見にくい競走ですよね。
ギニーレースは、スタート直後の様子が、
スタンドのファンには、ほとんど分からない。
ゴール前も、たくさんの出走馬が一気になだれ込んでくる感じだろうし、
日本のようにレース展開をキッチリと追いかけることは、
ほぼ不可能でしょうね(笑)。

自然の地形をなるべく活かすというのが、
ヨーロッパの競馬場の基本的な考え方なのだろうね。
競馬場そのものの雰囲気も、日本とは、だいぶ違うでしょ?

そうですね。競馬場によっては、
ファンのすぐそばを、
すり抜けていく形で移動するケースもあるのですが、
ちょっと声をかけられたりするだけですから。
もし、日本の競馬場で同じことをしたら、
大変な騒ぎになって、
とても目的地まで、たどり着けないでしょう(笑)
フランスやアメリカの観客は、大人の対応をしてくれるというか、
日本のファンほどは、競馬に対して熱狂的ではないのかもしれませんね。
  
 

(金曜日更新の第14回につづく)

  
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