武豊 西川哲 新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。
第7回
時代が変わっても、若手とベテラントップクラスの差は不変

  

武ちゃんも、自分が若かった頃と、現在の若手騎手たちとの間に
違いを感じることはある?

競馬が進化していて、騎手の技術も間違いなく上がっている。
例えば、ぼくがデビューしたときと、
現在の三浦皇成クンを比べれば、
皇成クンの方が、はるかに上手だと思いますよ。

 

競馬のレベルが上がるというのは?

20年前と比べれば、調教技術が格段に進歩しているし、
レースのタイムも圧倒的に速くなっている。
それに伴い、騎手もいろいろなことを考えながら、
自分の技術をどんどん進化させていかなければならない。
まあ、競馬に限らず、あらゆるスポーツの世界は、
まさに日進月歩ですものね。

馬券の世界だって、どんどん進歩しているというか、
ファンが上手になっている。
だって、発売当初は、あんなに配当が付いていた3連単が、
今は、だいぶ安くなっているものね(笑)。
それはともかく、さっき三浦皇成クンの話が出たけど、
若手騎手たちに脅威を感じることはある?

確かに、今の若手は、ぼくが若かったときよりも上手だけど、
現在のぼくだって、相当に進歩していますからね。
そういう意味では、若手たちとベテランのトップクラスの差というのは、
昔も、今も、あまり変わらないのかもしれない。
グラフにすると、右肩上がりの平行線という感じですかね。

若手ジョッキーも、デビューしてから1、2年目は勢いがあるけど、
その後、尻すぼみになってしまうケースも多い。
トップクラスを維持するのは、本当に大変だよね。

確かに、新人ジョッキーは、毎年デビューしてきますからね。
彼らにチャンスを与えたいと考える厩舎関係者も多いでしょうし、
若手間の競争も厳しくなる。
そういう意味では、3、4年目に踏ん張れないと、
その後が一気に苦しくなるケースが目立ちますね。
 

(金曜日更新の第8回につづく)

  
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