武豊 西川哲 新春特別対談

“スーパージョッキー”武豊騎手と、競馬の世界でトップを目指す東京サラブレッドクラブ社長西川哲が存分に語り尽くしてくれました。
第8回
ビデオや雑誌を取り寄せて、海外トップ騎手の技術を研究

  

競馬の世界以上に、現在の日本のプロゴルフ界は、
男子も女子も、若手選手の活躍が際立っていますよね。

 

4、5年前から、女子の方に、その傾向が顕著だったけど、
去年は遼クンと、23歳の池田勇太クン(注1)が賞金王争いをして、
男子も一気にトップクラスの年齢層が下がった。
昔はゴルファーの30歳代は若手扱いだったけど、
今では、ベテランというか、下手すればロートル扱いだものね(笑)。
実際、遼クンのように10歳代で賞金王に輝くなんて、
一昔前には、まったく考えられなかった。
まあ、ぼくらの頃と違い、現在の若手は、入ってくる情報量も違うし、
トレーニング方法も大きく変化している。
ぼくや武ちゃんが若かった時代は、
それこそ “ウサギ跳びをして足腰を鍛えろ” と言われていたからね(笑)。

本当に、まだまだ、そんな時代でしたよね。
 ここで、ご両人に若かりし頃のトレーニング方法を伺ってみました。

ろくな準備運動もしないで、
いきなりコースに飛び出していたからね。
科学的なトレーニングとは、まったく無縁だった(笑)。

ぼくもデビューした頃は、ウエイトトレーニングなんて、
何をどうやればいいものか、まったく分からなかった。
今は、フィジカルトレーニング専門の個人トレーナーに見てもらっている
ジョッキーも多くなっていますけどね。
なかには、プロ野球の工藤公康投手と長年タッグを組んでいる、
筑波大学のチームに、
騎乗フォームを科学的に分析してもらっている騎手もいるようです。
ぼくが若い頃は、海外のビデオや雑誌を取り寄せて、
C・アスムッセン(注2)とか、
海外のトップジョッキーの騎乗フォームを研究したりもしましたが、
今の若手は、ぼくらのような、海外の技術を取り入れてきた
ベテランジョッキーの騎乗フォームを参考にすればいいのですから、
楽と言えば楽ですよね(笑)。
  
 

(月曜日更新の第9回につづく)

  
 

(注1)
中学校時代に日本ジュニア、世界ジュニアゴルフ選手権に優勝。
2007年11月にプロに転向し、2009年には日本ツアー4勝、
賞金ランキングでは、石川遼選手に次ぐ2位となった。
(注2)
キャッシュ・アスムッセン。フランス、アメリカで大活躍した名騎手で、
凱旋門賞、仏ダービー、ジャパンCなどの大レースを多数制した。
通算3000勝以上をあげて、2001年に騎手を引退。弟スティーヴンも、
米の現役トップトレイナーとして素晴らしい実績をあげている。

  
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