また、「覆面(メンコ)」もファッションのひとつであるが、
大きく分けて2通りある。
耳あてがついているかいないかだが、
耳あてがなく、耳の部分が外に出ている場合は、単なる飾りと考えてよい。
逆に耳を袋でおおっている場合は病気である。
何の病気かといえば、心の病。
この病は逃げ馬に多く、快調に逃げていても、
後ろから追いかけてくる蹄の音が大きくなると耳を絞ってバッタリ止まる。
そんな気の小さい馬が耳あてつきのメンコを着用するわけだ。
また、気持ちが散漫で、レースに集中できないタイプの馬にもこれを使う。
外の音を遮断してしまうのだ。
さらに、鼻の中央部につける「シャドーロール」も、
同じように集中力に欠ける馬につける。
そして、「遮眼帯(ブリンカー)」。
これはメンコといっしょになっているものもあるが、
独自につけられるものもある。
やはり気の小さい馬につけることが多いが、気の荒い馬の場合もある。
「メンコ」+「ブリンカー」となると、これはもう対人赤面症。
一生結婚などできない小心者である。
じつは馬という動物の利点は、視野が広いことである。
ほぼ360度といってもいいほどで、常にパノラマでモノを見ているわけだ。
そしてこれは、馬が他の動物から身を守る唯一の手段、
後肢でのキックと密接に関係がある。
外敵に襲われた馬は集団で円をつくり、
近づいてくる暴漢を蹴りあげて退治する。
ブリンカーはこの機能を遮断してしまう。
人間も馬ほどではないにしても180度の視野があるが、
それを90度にされたら恐怖心がつのるはずだ。
ブリンカーはそれを逆手に使っているわけで、
ブリンカーをつけられた馬は、とにかく逃げまくるしかない。
ゴールすれば、そのやっかいなものをはずしてくれることがわかっているからだ。
だから、ブリンカー=今日は逃げるぞ、とまず考えた方がいい。
とくに下級戦で初めて着用した馬にはかなり効果があるものなのだ。
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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