そこで、パドックでは、少し視点を変えたい。
馬を見る前に「人」を見るのだ。
パドックでは必ず厩務員が馬を引く。
その厩務員たちの表情、動作にレースへの意気込みがあらわれるから、
それがヒントになるというワケだ。
「二人引き」は、勝負度合いが高い。
イレ込みとはウラハラであっても、
その姿そのままに“やる気まんまん”とみていい。
だが、これじゃわかりがよすぎる。
多くの場合は、一人で引く。
このときのポイントは、人と馬の接点になる「綱」を見るのである。
たるまずピーンと張って、“人馬一体”になっているのがいい。
そして、こういうときの厩務員の表情は、
きりっと締まり、自信にあふれて見えるものである。
パドックでグルグル回っていると、停止の命令で新たに人が駆け寄る。
一般のファンには判別しにくいが、
ここで調教師が自らでてくるかどうかもポイントになる。
大レースなら、病気にでもかからない限りたいていでてくるが、
一般レースや特別戦、G3ぐらいでは、
気のない調教師はでてこないケースもけっこうある。
そんなときは、だまって消し。
パドックにはワケ知りのファンがいっぱいいるから、
ビギナーのファンはそんな人に聞いたりして調教師の顔をおぼえるべきだ。
そして、騎手が乗る。
こんなときのジョッキーの表情を読むのはむずかしい。
彼らの心はすでに本馬場にいっているからだ。
ただし、パドックを2周する間、しきりにオッズ板に目をやる騎手がいる。
人気が気になるワケだが、自分の馬への色気ともとれる。
ところで、馬を人のように見ることも大切だ・・・
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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