知恵の言葉

馬を見る前に人を見よ(中編)

そこで、パドックでは、少し視点を変えたい。
馬を見る前に
「人」を見るのだ。
パドックでは必ず厩務員が馬を引く。
その厩務員たちの表情、動作にレースへの意気込みがあらわれるから、
それがヒントになるというワケだ。
「二人引き」は、勝負度合いが高い。
イレ込みとはウラハラであっても、
その姿そのままに
“やる気まんまん”とみていい。
だが、これじゃわかりがよすぎる。
多くの場合は、一人で引く。
このときのポイントは、人と馬の接点になる「綱」を見るのである。
たるまずピーンと張って、
“人馬一体”になっているのがいい。
そして、こういうときの厩務員の表情は、
きりっと締まり、自信にあふれて見えるものである。
パドックでグルグル回っていると、停止の命令で新たに人が駆け寄る。
一般のファンには判別しにくいが、
ここで調教師が自らでてくるかどうかもポイントになる。
大レースなら、病気にでもかからない限りたいていでてくるが、
一般レースや特別戦、G3ぐらいでは、
気のない調教師はでてこないケースもけっこうある。
そんなときは、だまって消し。
パドックにはワケ知りのファンがいっぱいいるから、
ビギナーのファンはそんな人に聞いたりして調教師の顔をおぼえるべきだ。
そして、騎手が乗る。
こんなときのジョッキーの表情を読むのはむずかしい。
彼らの心はすでに本馬場にいっているからだ。
ただし、パドックを2周する間、しきりにオッズ板に目をやる騎手がいる。
人気が気になるワケだが、
自分の馬への色気ともとれる。

ところで、馬を人のように見ることも大切だ・・・


・・・続きは火曜日の更新をお待ちください!

東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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