ところで、馬を人のように見ることも大切だ。
なにもむずかしく考えることはない。
オリンピックでも運動会でも、
速くて強いヤツはそれなりにムードがある。
このへんを感じとるのだ。
ルイスとメコネン。どちらも世界のトッププレーヤーで、
ルイスはスプリンター、メコネンはマラソンだが、
それぞれ必要に応じた筋肉や心臓機能をもった体型になっている。
馬にも同じことがいえる。
デカくてガッシリした馬は、
短距離を一気に走ることにすぐれている。
細身で胴長の馬は、
長距離を走ってもバテないスタミナがある。
肝心なのは、パドックは品評会ではないということ。
新馬戦のように玉石混交のメンバーでは、
やはり見映えのするカッコいい馬がそのとおり強かったりするものだ。
とにかく、レースに走る気があるのかどうかを見抜くことがポイントである。
パドックでの見る位置は、馬と至近距離のときは馬の目を見るのがいい。
「目は口ほどにものをいい」なんていうが、
元気でやる気のある馬は自然と眼光がするどくなる。
ただし、赤目で目つきの悪いのは、
単なる気性の悪い馬だからだまされてはダメ。
厳しい目と、目つきが悪いというのはちがうのだ。
少し離れた高い位置から見る場合は、
1頭1頭を細かく見るより全体を見るべきである。
みな同じように歩いているように見えるが、
なかにはそれこそ威風堂々と歩いている馬がいる。
競走馬も、結局は動物だ。
群れをつくると、そこには必ずボスが誕生する。
そして、ボスになれる馬は、
どこか他の馬を圧倒するサムシングがあるものだ。
トボトボ歩いている馬は、
この時点ですでに負けているのである。
・・・次回は「穴馬におぼれるべからず」をお送りします。
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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