新馬や休養明けの馬の取捨選択は、やっかいなものである。
調教タイムがその仕上がり具合を示すバロメーターにはなるが、
絶対的な要素ではない。
厩舎のコメント。これもある程度のファクターにはなる。
「もうひと追いほしい」とか
「あと1週あれば、カンペキなんだが・・・」
といったような弱気のコメントが普通ではあるが、
それが正確かというと、とんでもない。
弱気の馬がしぶとく粘ったり、直線一気にすっとんできたりする。
逆に、強気の馬が馬群に沈んでしまったりする。
情報信ずべし、信ずべからず、である。
厩舎関係者にしても、
「走ってみなければわからない」
ということが多いのだ。
担当者から本音が聞ける立場にいる新聞記者も、
似たり寄ったりのようなものだ。
自分の予想と実際のレースでの結果がまったく違い、
真っ青ということもしばしばだ。
何本追い切りがあればいいのか。こんな質問も見当違いである。
調教タイムは数字で表記されるから錯覚するが、
レースでの走破タイムとは違って
“横並べ”できる性質のものではないのである。
また、基準となるタイムも定かではない。
まあ、ごく一般的にいえば、
速いタイムの調教はたしかに“買い”の材料ではある。
実戦並みのタイムをだせば、
レースでもその程度はだせると考えられるからだ。
だが、これだけで「勝てる」決定的な要因とはならない。
それに、こういう馬は、だれにでもわかるから人気にもなる。
馬券的に妙味がないし、そのプレッシャーが凡走にもつながりかねない。
それでは、どうしたらいいか。
少しむずかしいが、
未出走馬や休養馬はその調教タイムを言葉で読むのである。
もっとも、新聞によってはスペースの関係で
新馬戦の調教タイムを少ししか載せない場合もある。
こんなときは、良心的に調教タイムを掲載する新聞にきりかえる。
そして、タイムを言葉で読むのだ。
軽目なら「15~15」ではじまる。
5ハロンからいったとすると、
75秒0~60秒0~45秒0~15秒0ということになる。
これは新聞社が掲載する調教タイムの限界である。
これ以上遅いタイムは、調教タイムとみなされない。
こんなタイムならあってもなくてもいいようなものだが、
ところがどっこいなのである・・・
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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