知恵の言葉

中、内は、ハナタレ小僧(前編)

馬券の要素として、
調教タイムが重要視されるのは日本だけである。
これは、競馬ジャーナリズムが作りあげた特異な現象といっていい。
欧州では、それぞれの厩舎がトレーニング場をもち、
思い思いの方法で調教をする。
アメリカは、日本に似て競馬場での調教だが、
細かな調教タイムにジャーナリズムが関心を示すことはない。
そしてまた、日本の競馬ジャーナリズムは、
トラックマンという奇妙な和製英語まで作りあげてしまった。
そのトラックマンは何をするのかというと、
馬の動きを見て、その馬の精神状態を探るのをモットーとしているのである。
元来、数字好きの日本人にとって、
調教タイムというのは手っとり早く、わかりやすい。
横並べすると、速い遅いの比較がつきやすく、

調教のいい馬=好状態

悪い馬=状態疑問

といった図式ができあがるからで、いたって好評なのである。
しかしこれは、とんでもない間違いだ。
この図式を逆に考えると、

速いタイムの馬
=それだけ追わないと、仕上がりに自信がない


遅いタイムの馬
=体が仕上がっていて無理に追う必要もなく、 レースでのスタミナ温存

ということになるのである。
さらにいえば、
「調教で速いタイムをだしてもカネにならない」
のは当たりまえのこと。
調教は、その厩舎、その馬にあわせた独特のパターンがあるのだから、
単に速い遅いではなく、そのパターンを知ることこそ大切なのである。

そこで・・・

・・・続きは火曜日の更新をお待ちください!

東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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