知恵の言葉

前評判(展開予想)の裏に宝の山あり(前編)

競馬が楕円形のコースを使用して行われる以上、展開の比重はきわめて大きい。
レース結果と展開は、切っても切れない関係といっていいだろう。
外国には直線だけで勝負を競う「ストレッチ」がある。
1000~1200mだが、これだってセパレートコースで行われるわけではないので、
展開のアヤがある。
人間がやる陸上競技の短距離レースのようなタイムレースにもならない。
ともあれ、競馬は、馬が密集して走るので、
ポジションやらなにやらあって、能力イコール結果とはなかなかならない。
忘れもしない、第4回「ジャパンカップ」――――。
あれよあれよとカツラギエースが逃げ切り、
単勝4060円もつけたが、この逃亡劇は展開の生んだ結果である。
カツラギエースはけっして弱い馬ではなかったが、
日本の馬として「ジャパンC」に初めて勝つというほど
強い馬とは思えなかったのである。
「ジャパンC」は、各馬の能力比較がつかない。
外国馬の場合、だいたいは成績を見て、日本の芝コースの適性を加味し、
「これがいちばん日本向きだ」と予想する。
また、ヨーロッパのG1の実績があると、やはり「強い」ということで人気になる。
ところが、展開という要素がスッポリとぬけているのである
外国の馬の脚質、戦法など推理しようがなくムリからぬ面もあるが、
力で決着がつく以上に展開で決着がついているケースが多いのだから、
展開を無視するわけにはいかない。
さらに、「ジャパンC」が荒れる要因は、
日本の芝向きのアメリカの格下馬が軽視されていることと、
展開を読みきれないところにある。
強くなくても、展開だけで勝つことはしばしばなのだ。
写真判定というものがある。
自分の買った馬が対象ならなおさらだが、
きわどいハナ差で1着、3着になり、
馬券がパーになるのは「運」とともに展開に左右されたのである。
自分の買った馬は、絵にかいたようにガンバッた。
けれど、3着ではおカネにならない。

「あそこでアイツが競り込まなければ残っていたのに。
よけいなお世話だっていうの。バカヤロー」

とか、

「もう少し前がやりあってくれれば、届いたのに・・・。クヤシイ!」

などといっても、結果がでてしまえばグチでしかない。
ところが・・・・・

・・・続きは金曜日の更新をお待ちください!

東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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