ところが、展開は一方で正義の味方の月光仮面ともいえる。
つまり、展開が強きをくじき、弱気を助けるケースである。
前出の「ジャパンC」はその典型だ。
さて、展開はどう読むか?
これはたいへんむずかしい。
競馬新聞が決めるわけではもちろんない。
競馬新聞のあれは、あくまでも予想である。
「予想」を逆から書くと、「ウソヨ」だもんにィ。
それはともかく、展開予想のポイントは、どの馬が逃げるか、である。
たとえば、3歳の特別戦。
出走する全馬が1000mを1分00秒0で勝ってきたとする。
さて、どの馬が逃げるか。
能力もほぼ同じだと仮定すると、前走の勝ち方はあんまり関係ない。
どの馬も逃げられるし、どの馬も追い込んでこられるからだ。
しかし、現実のレースになると、
逃げるのは逃げて、追い込み馬は後方につけている。
専門的には、同じ1分00秒0でも、
その勝ちタイムのラップ(200mごとに要したタイム)があり、
ダッシュ力のある馬がハナを切る展開になる。
とはいえ、結局、展開は、騎手のハラひとつではないだろうか。
脚質なんていうのは、騎乗者の判断ひとつでかわるものなのである。
要は、その馬の能力をだしきればいいのだ。
ただし、逃げ馬の場合は、脚質転換はそう簡単にはままならない。
逃げ馬の脚質は、気性面からくるものだからである。
気が強い反面、小心で、とにかく1頭だけで走っていなければ気がすまない。
これをあえておさえて、好位差しなどを狙ったりすると、
馬は反抗して走る気をなくしてしまう。
こうした馬の脚質を転換させるには、直線一気の勝負しかない。
この典型的な馬がミスターシービーである。
ミスターシービーの母シービークインは、優秀な逃げ馬だった。
この血統にトウショウボーイを配合したのだから、本来は快足馬である。
事実、牧場時代からその傾向があり、
引退後、牧場関係者は、
「超一流の逃げ馬になると思っていた」
と語っていたほどだ。
ところが・・・・・
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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