専門家は、「眼に見えない疲労があったのでは・・・」という。
たしかにそのとおり。
格上挑戦しての好成績は、馬にとって相当な負担になる。
プロ野球の一軍の試合に起用された一軍半クラスの選手が、
試合後、異常に疲れるのと同じだ。
それでも、たとえばパドックや返し馬、馬体重の増減などで、
あきらかに疲労残りがわかれば注意はできただろうが、
専門家のいうように「眼に見えない疲労」ではどうしようもない。
ともかく、こういうパターンでは、いつもハズレつづける。
さらに、もうひとつの裏付けがある。
格上挑戦で激走するのは、調教師が激走できるだけの馬体作りをしたということだ。
当然、調子はこのときがピークだ。
絶好調であったからこそ格上でも激走できたのである。
つまり、馬の調子の持続から見て、
自己条件に戻ったころは、格上挑戦したときより調子落ちと考えていいのだ。
こんなわけで、格上挑戦激走直後のレースは、
疲労残りと調子落ちで買い目がない。
そして、狙い目は数戦した後の調子を戻したときである。
この格上挑戦激走馬のパターンは山ほどあるが、
決まっていえるのは自己条件に戻った第1戦目は人気になるということだ。
そして、必ず負ける。
穴レースのサンプルといっていいだろう。
格上挑戦でも凡走していれば、これはあてはまらない。
凡走なら疲労も残らず、調子落ちもない。
それに人気にもならず、だからである。
格上挑戦馬の次走の読みを簡単にいえば、
前走の成績が激走なら「いらず」、
凡走なら「気にせず」なのである。
・・・今回が「知恵の言葉」の最終回となります。
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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