パドックでの馬の見方は数々ある。
全般的には、馬体重の数字を基準にした細め、太め。
そして、毛艶の良し悪し、イレ込み状態。
さらに、馬の前からいくと、眼、耳、首さし、
胸前と前肢のさばき、ひ腹の骨の浮きあがり具合、
トモの肉づき、後肢のふみ込み、尾ばなれ、etc・・・。
思いつくままに書いてもこんなにある。
これ以外のものを含めて、そのひとつひとつをどう見て、
どういう状態がいいのかとなると、もうこの道の専門家の世界である。
こうした世界の権威ある学者の手になる本もあり、
また実際に馬を扱う人の書いた手引き書の類もある。
だが、最近の競馬ブームでパドックは人、人、また人。
こんな込みあう状況の中で、
出走馬の1頭1頭を細かくチェックするなど至難のワザ。
時間なんかいくらあっても足りはしない。
多くのファンは、イヤフォンを耳にさし込んで、
ラジオのパドック解説を聞いたりする。
専門家の解説を聞いたほうがてっとり早いからである。
しかし、である。
この専門家というのがあやしいのである。
よくよく聞いていると、
最終結論は新聞に出ている予想どおりということがしばしばなのだ。
すべての人がその新聞をもっているわけではないので、
多くのファンには気づかれないが、
要するに馬を見ての見解ではないのである。
中には前日の予想にこだわらない良心的な専門家もいるが、
おおむね専門紙やスポーツ紙のトラックマンや記者は、
馬を見る目などもちあわせていないと断言していいだろう。
ラジオに出演するというのは、その新聞社の宣伝の一環なのである。
では、その道の専門家の解説なら大丈夫かというと、これもアテにならない。
NHKは、G1中継の際、現役の調教師をゲストとして招くが、
その解説はたいていあたりさわりのないものになってしまっている。
G1ともなれば、出走馬はすべてそれなりに仕上げてくるし、仲間の悪口はいえない。
たしかに解説は的確であっても、どの馬を買えと断言することはない。
馬券上、ぜ~んぜん参考にならないのである。
そこで、パドックでは、少し視点を変えたい・・・
・・・続きは金曜日の更新をお待ちください!
東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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