知恵の言葉

格上挑戦、次走はいらず(後編・最終回)

専門家は、「眼に見えない疲労があったのでは・・・」という。
たしかにそのとおり。
格上挑戦しての好成績は、
馬にとって相当な負担になる。
プロ野球の一軍の試合に起用された一軍半クラスの選手が、
試合後、異常に疲れるのと同じだ。
それでも、たとえばパドックや返し馬、馬体重の増減などで、
あきらかに疲労残りがわかれば注意はできただろうが、
専門家のいうように
「眼に見えない疲労」ではどうしようもない
ともかく、こういうパターンでは、いつもハズレつづける。
さらに、もうひとつの裏付けがある。
格上挑戦で激走するのは、調教師が激走できるだけの馬体作りをしたということだ。
当然、調子はこのときがピークだ。
絶好調であったからこそ格上でも激走できたのである。
つまり、馬の調子の持続から見て、
自己条件に戻ったころは、格上挑戦したときより調子落ちと考えていいのだ。
こんなわけで、格上挑戦激走直後のレースは、
疲労残りと調子落ちで買い目がない
そして、狙い目は数戦した後の調子を戻したときである。
この格上挑戦激走馬のパターンは山ほどあるが、
決まっていえるのは自己条件に戻った第1戦目は人気になるということだ。
そして、
必ず負ける
穴レースのサンプルといっていいだろう。
格上挑戦でも凡走していれば、これはあてはまらない。
凡走なら疲労も残らず、調子落ちもない。
それに人気にもならず、だからである。
格上挑戦馬の次走の読みを簡単にいえば、
前走の成績が激走なら「いらず」
凡走なら「気にせず」なのである。

・・・今回が「知恵の言葉」の最終回となります。
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東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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