知恵の言葉

正直ものの"ヘンタ買い"(前編)

調教欄には必ず「コメント」が載っている。
この「コメント」には2種類あって、
ひとつは騎乗者やそれを見ていた調教師など当事者のもの、
もうひとつは新聞社の調教担当者のものである。
前者は「ウマヤのはなし」とされている。
このコメントの中には調教以外の要素も含まれていて、
すべて同一の視点で語っているわけではないのだが、
やはり当事者の印象や感想を聞くのは、
その馬の状態を知る手がかりにはなる。
しかし、ご存じのようにこれが頼りにならない。

「見てのとおりだ。このタイムで馬なり、絶好調だ。負けないよ」

なんて胸を張ったりするのに、終わってみると、

「あそこで不利がなければ…」

と、あやまられてしまったりする。
あやまられても、もうおそい。ファンならこう思うだろう。
まあ、これが競馬というものだといわれてしまえばそれまでだが、
「勝てる」→「負けた」というパターンを、
この業界では“ヘンタ情報”という。
競馬の記者席には、記者の数だけ情報があり、1頭の馬についてだけでも、

「勝てるといっていた」
「いや、今回はダメといっていた」

などと、まったく正反対の情報がとびかったりする。
また、出走馬のうちの半分は「勝てる」と聞きこんできたりして、情報過重になる。
こうしたことから、業界では競馬サークル内を“ウソツキ村”と呼んでいる。
コメントとともに調教タイムを見ることは、馬券作戦上重要なポイントになる。
そして、時計が速いのはいいことだが、
「この馬は、いつもケイコでは動く」
ではなんにもならない。
こういうタイプの馬を“攻め馬大将”というが、
要はお山の大将なのである。
しかし・・・

・・・続きは火曜日の更新をお待ちください!

東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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