知恵の言葉

調教時計はラップで読め(前編)

調教タイムは、
予想のファクターのうちでどのくらい価値があるか。
まずは基本からー。
競馬ファンもベテランになると、
「今回は動きがいいから買い!」
とか、
「こんな時計じゃ買えないよ」
などという評価を口にしたりする。
ビギナーでも、タイムが速いか遅いかぐらいは数字を並べればわかる。
だが、これが痛い目にあう要因になる。
調教=追い切りは、予想上の“三大要素”
「過去」「現在」「未来」の中で
「現在」にあたる。
「過去」はいうまでもなく、
新聞の成績欄の中に細かく書き込まれた前走までの記録である。
何月何日、どこで、どんな条件の何メートルのレースを走って、何着だった。
そして、その際のタイムは、人気は、騎手は、馬体重はーというわけだが、
これは競馬の予想においては基本中の基本だ。
高馬だとか、良血だとか、
あるいはグッドルッキングホースだなどといっても、
いい馬、必ずしも走らず
走らせてはじめて馬の能力がわかるのである。
レース結果には、その馬の能力はもちろん、
馬の性格、強さの限界も示されているワケだ。
「未来」とは何か? 予想もそのひとつだ。
これには新聞の本文から片隅のコラムまですべて含まれる。
だが、
最終的には、アナタ自身が決める
そして、馬券を買う。数分後の「未来」を買ったワケである。
もうひとつの「未来」は、厩舎のコメントだ。
調教師や厩務員、騎手などが、
「今回は好勝負できます」とか「ダメだろう」
というのは未来予測なのである。
実態はともかく、新聞に載っていればそれを読み、
馬券上のポイントにしてもいい。
これに対して
調教は、「現在」だ。
正確には「追い切りの時点での状態」というべきか。
ともあれレースの前のウォーミングアップだから、
どの程度の状態で出走してくるかが、唯一わかるファクターである。
パドックや返し馬もほぼ同様だが、
決定的に違う点は、調教には数字がでるということ。
もちろん、数字がでるといっても、
F1の予選タイムや競艇の展示航走とは異なるが、
やはり
速いことにこしたことはない
では、ベテランのファンに負けじと
「時計が読める」ようになるにはどうしたらいいのか。


・・・続きは火曜日の更新をお待ちください!

東邦出版発行『知って得する競馬の金言』より
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